粉末成形プレスラインの生産性向上について、金型メーカーの立場から、
検討すべきポイントについて解説します。
まず生産性の向上という大きなテーマの下で、
具体的にどの項目を改善していくのかを定める必要があります。
例えば、生産に用いる金型自体を潰れにくくするのか、ショット数を上げるのかといった、
取組む項目毎にアプローチが異なります。
上記の2つはいずれも金型の耐久性向上という改善目的に沿っていますが、
ショット数を上げるためのアプローチと、潰れにくい金型を作るためのアプローチは実は異なります。
ショット数を上げるためには、超硬金型の場合、超々微粒子による超硬合金を用いるのが最適です。
超々微粒子の金型は、材料自体が非常に硬く、離形性がよい特徴があり、ショット数を上げても良好な結果を得ることができます。
一方で「潰れにくい」特性を超硬金型に持たせるためには、超々微粒子ではなく、粒子が大きい超硬合金を用いることが有効です。
粒子が大きい超硬合金の場合、耐食、耐衝撃に優れた特性を持ちます。そのため粒子が大きい超硬材料を用いた超硬金型は、割れにくいという特徴があります。
また粉末成形の対象となる粉末によっても金型材料を使い分けるアプローチがあります。
例えばセラミックの種類(フェライト、アルミナなど)によっては磁性を持つものがあり、この成形対象が持つ磁性により金型からの離型性が悪くなることがあります。
このような離形性が悪くなる場合は、超硬金型の材料として非磁性超硬を選ぶことで対策が可能です。
このように生産性向上という大きなテーマに対しても、それぞれのお客様の現場で取るべき対策は異なります。
桂精密ではお客様ごとに合わせた提案を行っております。
ぜひお気軽にご相談頂ければと思います。