ワイヤー放電加工とは、タングステン、銅、真鍮などのワイヤー線に電流を流してワークを溶融させながら切断する加工方法です。ワイヤー放電加工では、硬度が高く、加工が難しい材料でも問題なく加工を行うことが可能です。この特徴から、 一般的な鋼板やステンレス、銅、アルミなどの材料から、超硬合金、インコネル、ハステロイなど多様な材質の加工に使用されています。
また、ワイヤー放電加工では、ワークと接触するワイヤー線が非常に細いため、ミクロンレベルの高精度加工が可能です。そのため、ピッチ精度が必要な順送金型部品の加工や、リングやギアの半割加工などに用いられています。さらに、単なる直線状の加工のみでなく、円弧のような曲線形状の加工も可能であり、上下のワイヤーを別々に動かすことで、テーパー形状の加工を行うこともできます。
超硬加工・超硬金型センターを運営する桂精密では、このワイヤー放電加工を得意としております。そこで、下記にて当社のワイヤー放電加工技術についてご紹介します。
桂精密では、ゾディック製のワイヤー放電加工機(AP250L、SL400P等)を用いてワイヤー放電加工を実施しております。また、±2度以下に温度管理された室内で加工を行っているため、温度変化による寸法変化等の発生を防止しています。具体的に当社が保有しているワイヤー放電加工機やその他設備は下記よりご確認ください。
>>当社の保有設備はこちら!
当社では、上記の設備・加工環境を活用することで、板厚1m~30mm程度の薄板から厚板の製品であっても、最小コーナーR0.03mmの加工を行うことが可能です。下図は実際に当社にて加工を行った製品です。
さらに、当社が長年培ってきた独自技術・ノウハウをフル活用することにより、板厚5mm~30mmまでの製品であれば、コーナーR0mmの加工を行うことも可能です。下図のような、コーナーR0mmの加工を活用することで、電子部品等の性能向上を実現した事例もあります。
その他、加工条件を最適化することで、面粗度はRz0.3mm以下を実現することが可能です。加えて、後加工にて流動磨きを施せば、Rz0.01mm以下をも実現することが可能です。また、ワークサイズが100mm以内であれば、ピッチ精度は0.001mm以下と非常に高精度であり、複数加工も得意としております。
こちらは、ワークサイズは120mm×40mm、ピッチ間は0.8mm、精度は±0.001mmのインダクター金型となります。コーナーRは0.03mmであり、面粗度はRz0.01mmとなります。微細穴加工技術を活かし、φ0.2の下穴加工を施した後にワイヤーカットを施しています。当社の加工技術・ノウハウが詰まった製品事例となっていますので、詳細を下記事例よりご確認ください。
いかがでしたでしょうか。今回は、当社のワイヤー放電加工技術をご紹介しました。桂精密ではこうしたワイヤー放電加工に対応しており、高い精度が求められるコンデンサーやインダクター、電子部品用の製品におきましても高品質のサービスを提供しております。
また、ワイヤー放電加工等の微細加工技術を活かし、世界最小レベル、0302タイプの実用金型の製作にも対応しております。0302タイプとは0.3mm×0.2mmの極小サイズの金型のことで、精密な部品の量産に使用される金型になります。スマートフォンやスマートウォッチのような小型で高性能な電子端末においては、内部の微細な部品を作ることのできる金型が必要不可欠です。私たちは小さな金型が作れるというだけでなく、長年培ってきた技術により極小・難形状の金型でも±0.0025mmクラスの高精度で実現することが可能です。
「製品開発したいけど、部品製造のための金型が作れなくて困ってる・・・」
「製品の品質向上のためにより高精度な金型を設計製作できるところがない・・・」
というお困りごとがおありでしたら、お気軽にご連絡ください。
試作品も承っておりますので、お客様の電子機器のさらなる進化に貢献いたします!