超硬合金とは、硬質の金属炭化物と鉄系金属で構成される合金のことを指します。
超硬合金の最も代表的な組成は、WC-Co合金になります。超硬合金は、レアメタルと呼ばれるWCとCoの粉末を混ぜ合わせ約1400℃の高温で焼結することにより、ダイヤモンドに次ぐ硬さと高い弾性率を発揮します。
また、超硬合金の硬度はHRA81~95になります。
>>超硬部品/超硬金型の超硬加工を 成功させるポイントを紹介
非磁性超硬合金とは、その名の通り、磁性を持たない超硬合金のことを指します。通常の超硬合金は、弱いながらも磁性をおびているため、磁石材料のプレス加工やその周辺設備での使用が困難でした。そこで、磁性を帯びていない非磁性超硬合金が開発されました。
この非磁性超硬合金は普通の超硬合金と成分が異なります。通常の超硬合金と比較すると、非磁性超硬は塩分や化学薬品に対して耐蝕性が高く、低温・高温における耐酸化性にも優れています。
その一方、非磁性超硬は、通常の超硬合金よりも加工が難しいといえます。また、非磁性超硬は素材の種類が少ないため、通常の超硬合金のように幅広いバリュエーションから要望の素材を選定することはできません。
そのため、非磁性は、硬度のラインナップが少ないため硬度が高い超硬合金を使用されたい方は、脱磁機を使用して、磁力を弱めて使用される方もおられます。(完全脱磁は、できません)
また、非磁性超硬合金の硬度は、HRA81.5~92.5になります。
超硬合金の素材メーカーの中でも非磁性の超硬合金を扱っているメーカーは限られています。下記にて非磁性超硬合金を扱っている主なメーカーをご紹介しますのでご参考にしてください。
・富士ダイス(株)
・(株)シルバーロイ
・エバーロイ商事(株)
・サンアロイ工業 (株)
様々な特性を持つ非磁性超硬合金ですが、主に下記の用途で使用されています。非磁性超硬合金を使用する際のご参考にしてください。
・非磁性粉末成形型
・パンチ類
・耐蝕性の金型
・パンチ
・リング類
・刃物
こちらでは、当社に寄せられた非磁性超硬合金に関するよくある質問をご紹介いたします。
A:材料費は少し上がりますが、加工は可能です。
非磁性材料であるため通常、脱磁の必要はありません。
ただ、金型の場合、他部品に磁力が残っていると問題が生じるため脱磁の徹底をしております。
<非磁性超硬合金の動画>
当製品は、超硬製の電子部品となります。磁性超硬、非磁性超硬の2種類を製作しております。ご覧いただけるとわかる通り、磁性超硬、非磁性超硬は見た目では一切判別がつきません。そのため、検査時には磁性によるチェックを行っております。
当製品は焼き嵌め、細穴加工機により下穴を開けワイヤー加工を施しています。丸の電極を作成して、形彫りにて段付け加工を施しています。また、磨き工程として、ラップ加工を施しています。
いかがでしょうか。今回は、非磁性超硬合金についてご紹介しました。
当社では、極小・高精度・難形状の超硬部品加工や超硬金型の設計・製作・修理など様々なご依頼に対応いたします。また、当社は金型や部品の製作だけでなく、コストダウン提案 や生産性向上提案など価格と品質においてお客様のご期待に全力でお応えします。超硬部品、治工具、成形金型などお気軽にご相談ください。