超硬合金とは、硬質の金属炭化物と鉄系金属で構成される合金のことを指します。
超硬合金の最も代表的な組成は、WC-Co合金になります。超硬合金は、レアメタルと呼ばれるWCとCoの粉末を混ぜ合わせ約1400℃の高温で焼結することにより、ダイヤモンドに次ぐ硬さと高い弾性率を発揮します。
超硬加工や超硬加工については下記記事にて詳しくご紹介しておりますので、是非ご確認ください。
超硬合金には様々な種類があります。そこで、今回は超硬合金における材質選定のポイントについてご紹介します。
まず超硬合金の種類について簡単に解説します。超硬合金は、①G種、②微粒子超硬、③超微粒子超硬、④超超微粒子超硬の大きく4つに分類されます。
G種は最も一般的な超硬合金であり、粒子は②③④の超硬合金と比較すると大きいです。微粒子超硬は、粒子がG種よりも小さいため、硬度、強度、耐チッピング性、耐摩耗性等がさらに優れた超硬合金となります。この微粒子超硬よりも、粒子が小さいものが超微粒子超硬であり、さらにそれよりも粒子が細かいものが超超微粒子超硬となります。
粒子が細かくなるにつれて、前述した硬度、強度、耐チッピング性、耐摩耗性等が優れます。
①G種→②微粒子超硬→③超微粒子超硬→④超超微粒子超硬
~右に行くにつれ、粒子が小さくなり、硬度、耐摩耗性等の性質が優れます~
超硬合金は前述した①G種、②微粒子超硬、③超微粒子超硬、④超超微粒子超硬の大きく4種類に分類されます。 これらの中から最適な超硬合金を選定するには、製品の用途を鑑みる必要があります。そこで、下記にて各種超硬合金の主な用途をまとめておりますので、ご参考いただけますと幸いです。
粉末成形型・伸線ダイス・プラグ・絞り型・抜き型・ロール・センター・ノズル・ブレード・リング・ゲージ・刃物・ガイドブッシュ・コアー等
粉末成形型・伸線ダイス・ゲージ・一般絞り型・抜き型・ガイド・ノズル・刃物・伸線ダイス・コアー・ロール・プラグ・リング・ブレード等
タイバーカット・刃物・パンチ・金型・伸線ダイス・ノズル・プラグ・絞り型・ブレードチップ・切削用刃物・粉末成形型・コアー等
粉末成形型・軽荷重の絞り型・軽荷重の抜型・コアー・ノズル・伸線ダイス・薄刃等
前述した超硬素材の種類は、超硬素材メーカーにより細かな名称等が分かれており、性質も異なります。ちなみに、当社では超硬金型や超硬部品を製作する際、主に「シルバーロイ」、「富士ダイス」の超硬合金を使用しています。その理由を下記にてご説明します。
シルバーロイの一番の特徴はラインナップが多いことが挙げられます。超硬合金のラインナップが非常に豊富であるため、製作予定の金型、部品の仕様に最もマッチした素材を選定することが可能となります。さらに、シルバーロイは納期が非常に早いため、素早く超硬金型、超硬部品の製作に移ることができます。これにより、お客様により早く、製品をご提供することが可能となっております。
富士ダイスの超硬合金の一番の特徴は、高硬度のラインナップが非常に豊富であることが挙げられます。加えて、富士ダイスの超硬合金は品質が安定しているため、素材によるばらつきが少なく、常に高精度な加工を実現することが可能となっております。また、富士ダイスもシルバーロイ同様に納期が非常に早いため、素早く加工に移ることが可能です。
※場合に応じて、これらの超硬メーカー以外の製品を使用することもございます。
いかがでしょうか。今回は超硬合金の材質選定のポイントについてお伝えしました。
超硬加工・金型センターを運営する桂精密株式会社では、昭和32年の設立以来、超硬金型や超硬部品の設計製作に携わり技術を磨いてまいりました。その中で培った知見・ノウハウを活かし、お客様のご要望の超硬金型に最適な材質提案することが可能です。超硬金型に関するお困りごとは、是非当社までご相談ください。