粉末成形金型とはその名の通り、粉と粉(セラミック:アルミナorフェライト+バインダー)をくっつけて成形を行う金型のことです。
粉末成形とは粉末冶金とも呼ばれ、セラミックスや金属の粉末を金型に入れて圧縮して固め、
更に高温で焼き固めることで高硬度高精度の部品をつくる技術のことです。
粉末成形は大まかに分けると、以下の工程によって構成されています。
1.原料となる粉末の混合
2.粉末を金型に入れて圧縮し成形
3.成型品を焼き固める
粉末成形金型はこのうちの2.粉末(材料)を金型に入れて圧縮し成形に使用されます。
この金型成形はさらに粉末(材料)充填、加圧、成形体取り出しの3つの工程に分けることができます。
粉末成形に限らず、金型成形はパンチやダイと呼ばれる部品で原料を加圧することで成形を行います。
粉末成形であれば、まず、原料を金型に流し込み、パンチやダイで挟み込んで加圧します。
加圧することで、原料が押し固められて成形が完了いたします。高い圧力を加えると、成形品の密度が上昇して強度も上がります。
粉末成形は成形がしやすく、例えば機械加工で製作しようとすると非常に工数がかかってしまうような複雑な難形状の製品であっても、
上記のようなシンプルな工程で製作することができます。また、成形後は完成品にかなり近い状態での仕上がりになりますので、
追加工も必要最小限となり、歩留まりのリスクも低減させます。
粉末成形における金型においては、粉末(材料)が接触する箇所は、粉末(材料)がこすれることによって金型が摩耗するため、耐摩耗・離形性・耐衝撃性といった性能に優れた金型を使用する必要があります。
金型は高い圧力が加わり、なおかつ成形する粉末(材料)によって摩耗が激しいため、使用するうちに金型が摩耗し十分なスペックを持った製品の成形が難しくなります。
金型は量産品に使用されますので、こうしたいわゆる金型寿命の長短は生産性に大きく影響します。
また、離形性も重要になります。
離形性というのは、成形後金型から製品が剥がれやすいかという指標で、粉末成形においては成型品の金型からの離れが悪くなるため、離形性について考慮した金型づくりを行います。
特に微小な部品や厚みの極めて薄い部品の成形においては、小さな力でも破損してしまうため、簡単に取り出せる離形性の高い金型面相度が求められます
また、当然金型は何度も製品を加圧しますので耐衝撃性も重要な項目の一つです。
超硬金型は高い硬度のために摩耗に強い性質を持つ一方、逆に高硬度すぎるがゆえに衝撃に脆い性質になっています。
耐摩耗性と耐衝撃性は金型における重要なファクターではあるのですが、二律背反の関係にあるのです。
実際の超硬金型の製作においては、金型で成形するワークのサイズや形状、精度、生産個数、金型の使用環境など
様々な要因によって求められる耐摩耗性と耐衝撃性が異なりますので、そういった要因から金型に最適な硬度を逆算して製作します。
超硬合金の含有成分であるタングステン・カーバイド(WC)とコバルト(Co)の比率を変化させることで超硬合金の硬度・抗折力・圧縮強度を最も適した値にします。
世界最小レベル、0302タイプの実用金型の製作が可能です。
0302タイプとは0.3mm×0.2mmの極小サイズの金型のことで、精密な部品の量産に使用される金型になります。
スマートフォンやスマートウォッチのような小型で高性能な電子端末においては、内部の微細な部品を作ることのできる金型が必要不可欠です。
私たちは小さな金型が作れるというだけでなく、長年培ってきた技術により極小・難形状の金型でも±0.0025mmクラスの高精度で実現することが可能です。
「製品開発したいけど、部品製造のための金型が作れなくて困ってる・・・」
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