放電加工は、導電性のあるワークであれば基本的に加工が可能ですが、超硬合金を加工する際にはコバルトやニッケルの流出による加工面の腐食に注意する必要があります。
超硬合金は、タングステンなどの硬質金属炭化物と、コバルトやニッケルなどの鉄系金属で構成されています。コバルトやニッケルは水に優先的に溶け出す性質があり、溶け出すと強度低下や鏡面加工時にクレーター状の表面になってしまいます。
長時間の加工を行う際には、加工液に水を使用せず、石油などの油で加工する必要があります。ただし、油での加工は加工速度が遅く、加工液や消耗品のコストが高く、大幅なコストアップにつながるという特徴があります。